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「おーいミシェルミシェルー。」
「はい。パパ。何?」
「この裏の与那嶺さんのところに届けてきてくれないか?」
「OK。よなみね?のところ。」
パパが持ってきたのはお皿いっぱいのドーナッツみたいなの。
あ、これサーターアンダギーっていうお菓子。
「日本では引っ越してきたら「あいさつ回り」をするのが
普通なんだぞ。というわけでパパは東側から
回ってくるので、ミシェル頼んだからね!」
家の中でも日本語使わなくたって良いじゃない…。
そう思いながら私はアンダギーを一ついただいて
裏のヨヌミニュさんのところに届けに行くことにした。
「あーそうそう!与那嶺さんの家は
ゴーヤでいっぱいらしいからすぐにわかるよ!」
ああ…昨日食べたあの緑で変な食べもの…。
ゴーヤゴーヤ…。ん、ああ、ここかな家の周りが
本当にゴーヤの真緑でもじゃもじゃ状態だ。
じゃ早速届けて帰ろ…。
痛い。なんか飛んできた。
「ちょ…、ちょっとー!!なに
人の家に勝手に入ってきてるんですか!」
「あ、その緑のもの知ってる。ゴーヤ…いう。」
「ん、ああ、そうですよ。ゴーヤ。これうちでつくって…
それは置いておいて!人の話し聞いてください!」
「OK。ask me。」
「……えー、えーっと…あす?あす…ああ。うん。
その!なんで僕の家に勝手に来てるのかって言う話です!
この畑はあなたなんかに踏んでほしくないのです!」
「…ん?なに?」
「くああぁあああっ!!だから!どうして、
あなたは、ここにいるんですかと!!
ゴーヤだったらあげませんからね!」
「ちがうよ…。これ、引越しの…。」
「あら、それはありがとうございます。
これ僕すごく好物なんですよ。」
「…うん、よかった。」
「じゃあすぐに食べられるようここに置いておきましょう。」
「うん、そのほうがいいのことよ…。」
「じゃなくてー!なんであなたがここにいるかと
僕は言っているのですー!」
「えー…だからー…。」
「出てってください!ここはあなたが入って
いい場所じゃないんですからー!」
「…なんで?」
「……いや、その…理由は言えません。
でも入っていただきたくないのです。」
「…うぅ。持ってきた、けど、ひどいこと言う。」
「い、いいから帰ってください!
いや、本当もって来てくれたのは感謝しますがっ!
でもだめなものはだめなのですよ!絶対めっ!」
「huh、わかった…ですー。bye-bye。」
「はいはい!あんせーや!ぐぶりーさびら!」
「…あんがー…。」
まあ、いいや。かえろー。
グラス男かまってるのもなんだし。
「あー、そうそう。」
ういうとなぜかゴーヤがいっぱい入ったかごを
私に渡すグラス男。なんで?
「あー、れ、礼儀ですから!」
えーこんなにいっぱい?重いよー…。
でももらったらお礼は言っておかなきゃ。
「あ、ありがとござます…。」
「ん、うん。はい。…行って下さい!」
「………………。」
「いきましたかね?はぁ…よかったぁ。」
「さっそくサーターアンダギーでも
おいしくいただきましょうかね。」
「んむっ。やっぱり軒下でウコン茶と食べる
アンダギーは格別ですね。ええ。」
…はっ!!
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与那嶺桃春(よなみねとうしゅん)
主人公のけんか相手。なぜか主人公が大嫌いでつっかかってくる変なメガネ。けんかの最中もなぜか礼儀は忘れない。おばあちゃんと二人暮し。ゴーヤ育てて暮らしてる。
とうしゅんです。とうしゅん。
沖縄の伝統的な名前って音読みが多いそうな。 |
■朱城さん■
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朱城きぬ(スグクキヌ)
サーターアンダギー作りが趣味の明るい女の子。明るいを通り越して笑い出すと止まらなくなる。主人公と友達になりたがっており来た当初からさーたーあんだぎー片手に遊びにやってきます。
はい。あの人の…。 |
きぬさん。爆笑すると止まりません。
おわり |
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