引越し2日目。

荷物もだいぶ片付いてきた。
でもやることなくなると本当に暇。
本はほとんどアメリカの友達にあげちゃったし。
パパとお話でもしようかな。




「話はちちょーいびん。ありくりでーじやたんやー。
 ちゅーからゆたしくうにげーさびらやー。」

「いえいえ、こちらこそこれから宜しくお願いいたします。」


外からパパと誰かの話し声がする。
「PapaPapa.....Are you free?」


  


パパとだれかがお話してる…。
…ん。誰だろあの子。


「あ、ミシェル。ちょうど良いところにきたなぁ。
 お隣の謝花さんファミリーだよ。ほら、挨拶して。」

「huh?ye…う、はい…。」

「あらぁ!お人形さんぬぐとぅ!」

…人形のよう…ってこと?そっかな、嬉しいな。
このおばさんがお隣ならいいかも。



「謝花さんの家は漁師さんなんだよ。
 海で魚をとって暮らしてるんだよ。」

「ふぅん…。魚とるして暮らしてるんだ…。」

あの男の子もフィッシャーマンなのかな?
それにしてもモンクみたいな髪型ね。



「Hi!そこの男の子。…は、はじめ…ますて?
 ミシェル・キャン…です。」

「…………。」

「…?」

また私やっちゃったかな。



「こら!茶太!ちゃんとあんぐゎに
 いぇーさちしーよーさい!」

「あ…は、はいっおばさん!ええっと…。」

  

「こ、こんなに綺麗な人はじめてみたので
 すこし緊張してしまいました…!」

「え…。」


目が合う。
ちょっと顔の体温が上がったような気がした。



「は、はじめましてっ!謝花茶太です…!
 これからどうか宜しくお願いします!」

「は、はい…。よろ、しく。」

「え、えっと…なにか困ったことがあったら
 い、いってくださいね…!」

「…うん。」


この子と仲良くしたいな。そんなこと思った。




■海と坊主■


|´・ω・)上の件から数日後。
     

「サタ。こん…にちは。」

「あぁ!みせるお嬢さんこんにちは!」


また私のこと「みせる」って言った。
まあサタならいいや。


「今日、また魚とってきたんで
 よかったら食べてください。」

「ありがとござますサタ。
 Wow…生きてる魚は、おもしろい…。」

「そうですよ。きれいでしょ。」

「うん。私思う。おもしろい色してる。
 私、いつも、ママ料理した魚しか知らない。」


すごーい。でもちょっと魚ってあんまりかわいくない。
そういえばサタっていつもどこでどうやって魚とるのかな。
なんかいっぱい動いてるから触りづらそうだし。


「look、あ、んん、私…も、魚とるのことやるりたい…。」

「え!?お嬢さんがですか!?」

「…うん。」

「はい!じゃ、じゃあ今からでも一緒に行きませんか!?」

「ん、行く!」


 


 ━━━海。

「ほら!よく見ると泳いでるでしょ?」

「本当だ。私わからなかった…。
 サタ毎日この魚取ってるの…?」

「いえ、毎日ではありません。
 食べる分だけ取るようにしています。
 欲張ると神様に怒られちゃいますからね。」

「…ここの神様は、よくばりする人が嫌いなのね。」

「あははっですね。」

      
「サタ、サタ、どうしてこのいっぱいの水は
 みんな青の色してるの?ブルーベリーの味がするの?
 魚が青いのは色がうつったから?」

 
「これはニライカナイの神様がこのうちなの地を
 見守ってる証拠ですよ。」

「神様が青くしてるの?」

「はい。神様がいる空の青い色を映している間は
 神様が守っているので平和なんだと
 たんめぇ(※爺様)から聞きました。」

「Really?それロマンティックですね。
 私泳げるのできないけど、この青い色は好き。」

「……本当綺麗な色だなって思います。」


  

「…でも一度だけ真っ赤になった時がありました。」





サタは綺麗な色の話をしているのに
なぜかすごく悲しそうな顔をした。どうしたんだろサタ。



謝花茶太(じゃはなちゃた)

漁師の息子で坊主。性格は生真面目で穏やかなお人よし。古きよき時代の古きよき少年です。主人公を気遣っていろいろ世話焼いてくれますが、うぶで硬派なので手をつないだりとか恥かしくて出来ません。

なまらせるか悩んだんですが、坊主で礼儀正しくて「ですます」口調いい!ってことでこんな感じに。あとなんか名前がおいしいお茶みたいになってる。


      次はゴーヤさんだよ!